毎年極寒の時期に、家族総出で手作業で仕込みます。
みそを仕込む作業は、一年のうちの最も寒い時期に行われます寒さで空気中の雑菌が少ないこの時期にみそを仕込むのは衛生的に最も理にかなっています。
顕微鏡で細菌の存在を覗くことのできる現代では当たり前の観念ですが、ヨーロッパでの産業革命における石鹸の普及(18 世紀末)を待つこともなく「衛生の観念」がこの当時から根付いていることを思うと、先人の知恵には驚かされます。

みその自家醸造は大量の大豆・米・麦を蒸しあげることからスタートします。ここでの作業は数人の大人の共同作業が必要になります。つまり人手が必要です。
2 月の中頃、毎年、私も借り出されみそ醸造の作業に参加します。毎日食べるみそ汁、使わない日のない調味料・おしょうゆ、生まれた時からずーーーっと実家で自家醸造のみそ・しょうゆを食べて成長してきました。そのみそとしょうゆを自分の子どもたちにも当たり前のように食べさせてきたので、父母が年老いて作ることができなくなった時には、私がご先祖様からのバトンを受け取り、作り続けるつもりでいました。みそ・しょうゆ作りに必要な段取りや工程、材料などを理解するためにも参加しているのでした。